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THE LEGEND ポール・リム選手へ一問一答! 2022-07-26 プレイヤー

7/20(木)、ポール・リム選手が来社されました。普段聞けないことを色々質問してみよう!ということでTwitterのフォロワー様から質問を募集し、ポール・リム選手にお答え頂きました。9ダーツ達成のこと、スタンスのこと、ビギナーの練習方法...とても丁寧に、真摯にお答え下さっています。全部で12問です!
(時間の都合で質問の内容全てにお答えしきれていないこともあります。また、近そうな内容のご質問はまとめさせて頂きました。何卒ご了承ください。)

それでは、どうぞ!





質問①

ゆ(@yuyuyu_2048)様からの質問:

「利き目は右側と記憶しておりますが、ボードに対してクロス気味にスタンスを取られているのはなぜですか?
また、スタンス、投げ方、肘の位置など意識してる箇所はどこですか?」


まっつん(@sironekotw1)様からの質問:

日本のプロは肘真っ直ぐにしたがるのに対して、ポールリム選手は斜めに構えてますが その際にどのようなイメージでブルに手を伸ばしてるのか気になります。


ポール・リム選手:
クロススタンスの意味がよくわからないんですが、でも、基本的には、ほとんどの選手がやっているように、すべてを一直線上に並べたい、また真っ直ぐに照準を定めることが良いと思っています。私は長年にわたってプレーしてきましたが、基本的にそれが全くできないんです。なぜなら、実際に肩を痛めてしまうからです。だから、自分が心地よいと感じるポイントに立たなければならないし、決して無理に体を真っすぐにする必要はないと思っています。
もし私が初心者の方に教えるなら、私のようなスタンスではなく、ターゲットに対して一直線になるようなスタンスに変えてあげたいですね。 これが一番いい方法です。若い人たちには簡単なことです。でも、何十年もプレーしている自分にとっては、今から変えるのはとても難しいんです。だから、今のやり方でやるしかないし、今の立ち位置を維持するためにもっと練習しなければならない。でも、私にとっては今のままが心地いいんです。





質問②

ユーキ(@yu_ki0628_)様からの質問:

「思った通りに投げられない時にどうしたらいいでしょう?」


ポール・リム選手:
基本的に、重要なのは心地よさです。ダーツボードに向かって投げているときに、何をやっても心地よいということです。自分としては、自分のやり方が筋肉の記憶のような形で繰り返されていることに確信を持って、その心地よさを身につけたいと思っています。ダーツは一貫性が一番大事だと思うんです。だから、投げているときの心地よさは、自信を持って投げられていること自分で理解していなければなりませんし、「(一生懸命)ダーツを投げようとする」のではないのです。ただ「ダーツを投げる」だけです。これが、安定した成績を残すための重要な要素であり、さらに今の自分の姿でもあると思います。




質問③

Riku_180_0519(@Riku05197603)様からの質問:

「緊張して試合中にフォームがわからなくなったことはありますか? 」


ポール・リム選手:
はい、あります。みんな緊張すると思います。今、本当に正直に言いますがそれが誰であろうと関係ありません。世界最高の選手であろうと、みんな緊張するんです。でも、緊張しているのとアドレナリンが出るのとは違います。アドレナリンも緊張の一つです。でも、それをコントロールできるかどうかが問題なんです。私が感じたのは、たとえば100m走をする人の場合です。彼らが世界記録を更新するためには、アドレナリンが出ていなければならない。普段の自分よりいい成績を出したいと思っている人にとって、アドレナリンはとても大切なものです。だから、緊張することはいいことだと思います。でも、手の震えまで緊張してしまうと、それは悪いことになる。だからコントロールできるようにいつも平常心でいることを心掛けています。心の炎は燃やしていますが。





質問④

たーきー(@alex19866149)様からの質問:

「WORLDで対戦したい選手は? 」

もとき。(@yuki4_asu)様からの質問:

「対戦したい日本のプレイヤーは誰ですか?」


ポール・リム選手:
そこにはたくさんの良いプレーヤーがいます。そして、今日のプレーの水準はかなり高い。誰と対戦しても、常に世界最高峰の選手と対等に戦うようにパフォーマンスをしなければならないのです。だから、誰がという問題ではなく、私がどうプレーするかという問題だと思っています。





質問⑤

あずりん(@azurin0821)様からの質問:

「調子が悪くなる事はありますか?
また、調子が悪くなった時の解消法などがあれば教えて頂きたいです。 」



ポール・リム選手:
調子を崩すこと?はい、あります。私はダーツを始めてから40年以上、競技歴は30年以上です。多くの浮き沈みを経験しました。でも、なぜかあきらめなかったんです。理由は2つあります。ひとつは、落ち込んでも自分を修正し、道を切り開く力が自分にはあるとわかっているから。そしてもうひとつは、私にとって、このスポーツが大好きだからです。このスポーツを愛しているからこそ、あきらめたくはないのです。だから、いつも自分の問題を克服し、より良くなる方法を見つけ、間違いを正すようにしています。いいプレーをしているときは、時々テレビで自分のプレーを見るのが好きなんです。だから、スランプに陥ったときは、良い時の自分のプレーを見て比較するようにしています。





質問⑥

のべ(これはえびです)(@inadai0320)様からの質問:

「最近始めたばっかりなんですが、最初はどのような練習をしましたか?」
(「最初はどのような練習をすればいいですか?」という質問に聞こえてしまったようで、それに対する回答となっています。)


ポール・リム選手:
これはとても重要なことです。私は香港やシンガポール、マレーシアにいるとき、たくさんの人に指導をしています。初心者に教えるということは、彼らを導くことだと思うんです。なぜなら、どのスポーツも同じだからです。どのスポーツにも基本的な基礎があります。どんなスポーツであっても、基本をしっかり身につけなければならないのです。バランス、立ち方、ダーツの握り方、構え方、テイクバック、ストロークの出し方などです。これらは基本的なことです。ですから初心者の方には、まず正しい方法、つまり基本的なことから始めるようにといつもアドバイスしています。そうすれば、悪い習慣を身につける必要はありません。ダーツを投げるときに体を動かすなど、一度悪い癖がついてしまうと後で修正するのはとても難しいのです。僕のアドバイスとしては、DARTSLIVEのテレビ番組でもいいし、素晴らしい技術を持ったプロが指導しているテープがあればそれを見て、彼らから学んでみてください。彼らも同じことを教えてくれるでしょう、まず基礎が大事ですからね。基本がしっかりしていれば、その後は練習を重ねてもっとうまくもっと快適にできるようになります。間違った投げ方をしていたら、常にいいスローをすることは難しいですからね。





質問⑦

カスタムぷりん(@purin_7610)様からの質問:

「ダーツを始めたきっかけが知りたいです 」


ポール・リム選手:
昔からスポーツが得意でした。私は手と目の連携が得意なんです。だから卓球やバトミントンなど、いろいろなスポーツをやっていました。ダーツを始めたのはイギリスでシェフ(仕事)をしていた時なんです。ホテルの同僚数人とダーツを始めました。パブに行くとダーツがあるというので。
イギリスではダーツはかなりメジャーでした(スチールチップ)。いつもダーツを見ることができたので、なんとなくイメージができました。そして、自己練習と自己分析をします。自分が間違っていることに気づいたら、プロプレイヤーのプレイを見て、自分を修正し、真似するようにしてきました。それがとても大切だと思います。

(イギリスには留学していたのですか?)
18~20歳のときにシンガポールの軍隊にいたんです。兵役を終えてからイギリスに行って、シェフになりました。





質問⑧

eske1399(@eske1399)様からの質問:

「クリケットの練習の仕方を教えてください 」


ポール・リム選手:
基本的に、クリケットはターゲットシューティングです。いろいろなやり方があると思いますが、クリケットといえば、大抵は競技についてお話するということになりますね。すべての数字を練習する必要があります。15が嫌だ、18が嫌だ、と言ってもダメなんです。クリケットの数字はどれも重要だからです。だからトリプルの練習は、自分が納得して、怖くなくなるまでやるんです。負けることを恐れていると、実際に負けてしまうんです。だから、負けることを恐れてはいけないんです。誰でも負けることはあるし、勝つこともある。だからクリケットの数字を全部練習するんです。私はクリケットカウントアップがとても好きで、常に自分の平均を把握しています。自分の平均が5.6だとしたら、その5.6を更新したいんです。それから、6.0とか6.5とか、もっと上を目指します。自分が何をしたいのか、目標を設定するんです。そして、それを実行するために自分を追い込む。恐れを抱いてはいけないんです。





質問⑨

小池翔(@syokoike)様からの質問:

「ソフトとスティールのセッティングを教えてください。」


ポール・リム選手:
私のバレルは今、THE LEGEND Gen6です。
スチールチップのダーツには、スイスポイントを使用しています。スイスポイントは変更可能だから好きなんです。スイスポイントを使っているのはTARGETだけです。でも、スイスポイントを持っていなくても、普通のスチールチップを使えばいいんですよ。私のGen6では、21グラムのバレルに26ミリシャフト、8フライトをセットしています。ティアドロップのフライトは、スピードが出るのが好きなので使っています。つまり、とても基本的でシンプルなセットアップです。


THE LEGEND G6


SWISS POINT


※Swiss Point(スイスポイント)とは、ハードダーツの先端のポイント(チップ)を素早く交換することができるTARGET発の新システムです。特許取得済。これまでのハードダーツはポイントの交換が大変でしたが、TARGETが開発した画期的な技術で簡単に交換することが可能となりました。(2019年発売)





質問⑩

福富-ORUPEL(@fy_Darts)様からの質問:

「伝説の9Dart Finishを決めた直後の気持ちをお聞きしたいです」


ポール・リム選手:
それは何年も前のことです。現在でも多くの人がそのことを記憶していると思います。30年以上前のことです。しかし、この記録はBDO Championshipで一度も破られていないので、間違いなく私の最高の瞬間でした。BDO Championshipでこの記録を破ったのは私一人で、今日まで誰もこの記録を破った人はいません。PDCでは、明らかに数人がこの記録を達成しています。だから、僕にとっては個人的な成果なのです。とても誇りに思っています。私のダーツキャリアの良いスタートとなりました。あれ以来、振り返ることはありません。





質問⑪

ちゃんえー(@JapanSimonfan)様からの質問:

「昨年のルークハンフリーズとの対戦を振り返っての感想をお聞きしたいです。」


ポール・リム選手:
Luke Humphreyはpdcのランキング常連の選手です。彼はイングランドの偉大なプレーヤーなので、厳しいことは承知していました。でも、私は正しい精神状態だったんです。一旦リードされたものの、再び逆転し、彼を打ち負かすことができました。ゲームにかなり集中していたと思います。物事が自分の思い通りになったんです。ステージに立つとき、決して簡単なことではないといつも思っています。特に、世界最大のトーナメントでプレーしている時はとても頭を使います。集中し、努力し続け、自分にチャンスを与えなければならないのです。このトーナメントを戦うためにイングランドに行くことはあまりないので、いつも難しいです。でも、PDCの選手たちはいつもプレーしています。環境、舞台、すべてに慣れています。私たちアジアやその他の国の選手にとってはそれが経験だと思います。私たちは、絶えず掘り下げ、深く掘り下げ、うまくやるしかありません。 厳しいですし、とても難しいことなんですれどね。





質問⑫

@HwDH058c7fCQP6t(@HwDH058c7fCQP6t)様からの質問:

「ダーツ界を志す人、若い人、そしてこれからのダーツ界への想いをお聞かせください。」


ポール・リム選手:
これから出てくる若い選手たちに言いたいのは、一番大事なことは、決して動揺しないこと、そして、決してあきらめないことだと思うんです。私は40年間プレーしていますが、長い道のりです。だから、私たちは浮き沈みを経験することになる。困難な時期を経験することになる。どうしてその試合に負けたのか、自分でもわからないようなこともあるでしょう。でも、あきらめないでください。次があるから、次はもっとうまくやるぞと、自分に言い聞かせなければなりません。この世の終わりではありません。だから、ハードワークへの取り組み、あなたの姿勢。モチベーションを高めて練習することは、とても大切なことです。常に自分を奮い立たせなければなりません。ダーツは心と炎が大事なんです。炎を持たなければなりません。ただ単に上手くプレイするだけではダメなんです。 炎を持たなければなりません。
動揺してもいいんです。でも、動揺しているだけでは何の役にも立ちません。自分自身を育ててください。あきらめなければ、きっと自分を超えることができます。






いかがでしたか?
質問して下さったフォロワーさん一人一人のお顔を思い浮かべながら答えているように感じました。
冷静に自分と向き合い、苦難を経験されても諦めずに様々なことを乗り越えて来られたからこそ今の場所にいらっしゃるんですね。
そしてそういう雰囲気を全く出さずにいつも明るくニコニコされているポール・リム選手。本当に頭が下がる思いです。

また、機会がありましたら色々とお話伺ってみたいと思います。
質問をお寄せ下さった皆様、ありがとうございました。

今後ともポール・リム選手の応援、何卒よろしくお願い致します!






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